意識不明や判断能力のない患者においては、緊急事態での生命に係る場合で、かつ家族関係者に連絡がつかない場合を除いて、家族など適切な代理人の同意を得て治療に必要な判断と決定を行います。 なお、家族など適切な代理人がいない場合には、患者さんにとって最善の利益となる方向で治療を行います。
検査・治療・入院等の必要性並びに利益と実施しない場合の負担と不利益について患者さんに十分な説明を行います。そのうえで患者さんが医療行為を拒否した場合は、患者さんの自己決定を尊重します。ただし、感染症法等の規定に基づき、治療拒否が制限される場合があります。
宗教上の理由などから輸血を拒否される患者さんには「宗教的輸血拒否に関するガイドライン」に従い、適切に対応します。
やむを得ず身体を拘束し、行動制限をする必要がある患者には「身体拘束予防ガイドライン)」に従い、適切に対応します。
心肺蘇生の有効性について終末期・老衰・救命不能な患者さんやその家族に対して十分な説明を行います。そのうえで、心肺蘇生を行わないことに同意された場合は、その意思を尊重します。 ただし、いかなる場合も積極的な安楽死や自殺幇助は認めません。
生命にかかわる疾患に直面する患者さん・家族に対して、身体的苦痛のみならず心理的・社会的・精神的な問題がないか評価し、予防または緩和したりすることで、心身の状態及び生活・生命の質の維持改善を目指します。当院では患者さん・家族の価値観や希望を尊重し必要な医療・ケアを提供できるよう、医療ケアチームまたは多職種チームで取り組みます。
人生の最終段階における医療・ケアについては*アドバンス・ケア・プラニングを含めて、医師等が適切な情報提供と説明を行い、それに基づいて患者さん本人が医療・ケアチームと十分に話し合い・患者さん本人が決定することを基本とします。本指針における「医療・ケアチーム」とは患者さんの診療および療養支援に関わる医師、看護師、薬剤師、リハビリテ-ション職、医療ソーシャルワ-カ-、管理栄養士、臨床工学士等の医療専門職、並びにその他必要な職種により構成されるチームをいいます。 患者さん本人が意思を表明できる場合には本人の意思を尊重し、医療・ケアチームと十分に話し合った上で医療・ケアの方針を決定します。 患者さん本人の意思確認が困難な場合には、ご家族等が本人の意思を推定できるときは、その推定意思を尊重し、本人にとって最善と考えられる方針を医療・ケアチ-ムで慎重に検討します。 ご家族等も本人の意思を推定出来ない場合、またはご家族等がいない場合には、患者さん本人にとって何が最善であるかについて、医療・ケアチ-ムで慎重に判断します。なお、医療・ケアの方針決定にあたっては、必要に応じて多職種チームで検討を行います。本指針における「多職種チーム」とは医療・ケアチームの中で複数の専門職がそれぞれの専門的立場から検討を行う体制をいいます。 判断が困難な場合、関係者間で合意形成が困難な場合、または病院として方針確認が必要な場合には、倫理委員会にて審議を依頼します。 この過程で話し合った内容および決定した方針は、その都度、診療録に記録します。
*アドバンス・ケア・プラニングとは 病気は急に悪化したり落ち着いたりを繰り返しながら進行し、最終的に急速に悪化する可能性があることを踏まえ、将来、の患者さん自身で意思決定できなくなる時に備えて、今後の治療・ケアの希望について、あらかじめ患者さん・ご家族等と医療者が話合っていく過程をいいます。 話し合う内容には治療・ケアの内容、療養場所(医療機関・自宅等)代理決定者(配偶者・親権者・近しい知人等)等について希望などが含まれます。 アドバンス・ケア・プラニングは、患者さん本人の意思を尊重するための取り組みであり、患者さんの病状や意向の変化に応じて繰り返し話し合いを行います。
障害者・高齢者・配偶者(パートナ-)等に対する虐待・暴力をうけたと疑われる患者さんを発見した場合には、関連する法律に従い、関係機関への通報を行います。
上記以外の倫理的問題については、主治医又は担当部署のみで判断せず、必要に応じて医療・ケアチームまたは多職種チームで検討を行います。そのうえで、判断が困難な場合、関係者間で合意形成が困難な場合、または病院としての方針確認が必要な場合には、当院「倫理委員会」にて審議を行い、適切な対応方針を検討します。
2026年2月12日 作成
2026年5月14日 刷新